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■原油高騰とOPEC緊急会合(2)
 22日にサウジ主催で開催されたOPEC緊急会合は、サウジが7月から20万バレルの原油増産と追加増産の可能性を表明している。さらに今後2年から5年かけて最大1500万バレルの生産枠拡大に繋がる設備投資を行なうとした。

 マーケット関係者は、7月からの日量20万バレル増産では原油高騰抑止効果は期待外れだと指摘している。時間外取引では価格は136ドル台を維持し依然高止まりしている。

 もし本当に効果が乏しいとすれば、今後も原油価格ばかりか食品・エネルギー他関連する多くの製品価格が高値を維持し、いずれはコアCPIまで上昇してくることになる。

 先進国の経済成長率が高く推移しているなら影響はさほどないが、米国のサブプライム問題と株価・個人消費の低迷で、日米欧とも成長率は伸び悩んでいる。このような景気低迷の中で物価上昇が続くと「悪いインフレ」を招くことになる。景気対策や企業努力や中央銀行の金融政策が、投機的商品価格高騰のために無駄に帰してしまう。

 そもそも、こういう事態が放置されるのだろうか。政治家や中央銀行は、「先物市場の価格形成」と「物価と景気への影響」をどこまで理解しているのだろう。戦争が起きていない=「平時」の原油価格として135ドル水準が長期化することをまさか黙認はしないだろうが─。

 通常、経済活動はデリケートなバランスの上に成り立っている。為替市場が極端な変動をするだけで介入が入り修正される。中央銀行が0.25%の金利を上下するか据え置くかで金融関係者は注目している。経済成長率も物価指数も失業率も数値的には僅かな変動であるが、その意味するところは大きい。

 例えば、米国の失業率は4%半ば〜5%前半までの僅か1%以内での変動だが、4%台の実質完全雇用も5%台に乗せるだけで個人消費低迷や景気減速が懸念される。実体経済はこのようにデリケートなバランスで成り立っている。

 原油価格は、99年頃に10ドル台だった。2000年頃は20−30ドルだった。僅か8年後には4〜13倍。ここ1年間では約2倍。それでもコアCPIは低く抑えられてきた。これを政治家や中央銀行らは、現行の政策が適正だから「物価が抑制されている」と見ているのかもしれない。そう考えると彼らの呑気な対応は理解できる。

 国と中銀は経済政策が適正だったと見ているのだろうが、実際は企業努力が物価上昇を抑えてきたことは明らかだ。原油高騰分を負担してきた企業努力はもはや限界に来ている。ここから先は原油高はリアルに物価全体の上昇に跳ね返ってくる。穀物高も食品の価格上昇に繋がる。国と中銀の政策が後手後手に廻っていることが、次第に明らかになってくるだろう。

 実は、当方は今回OPECの声明文を好感している。サウジの原油生産枠の拡大は、年金ファンドなど長期上昇を期待しロングポジションで居座る連中を排除するにはよい政策だと思う。後は目先の利益を狙う期近で売買する投機筋への対応だ。これはFOMCに期待してみたいと思う。

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20:15, Monday, Jun 23, 2008 ¦ 固定リンク

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